ゼークトの組織論【やる気と能力の掛け算】

グループワークを行う社会人 就職

今日は偉そうに語ってしまいますが、組織論について。

名前など具体的なことは言えませんが、「会社で小さなプロジェクトのリーダーを任されてしまって、人員をどう配置してマネジメントしていけばいいかわからず頭がパンクしそう」という相談があったので僕なりの答えを書こうと思います。

僕に応える資格が充分にあるかは微妙ですが、一応名古屋の錦でそこそこ大きなグループのキャバクラで店長をしていたので、悩んでいることは痛いほど良く分かります。

特に僕は発達障害持ちであまりコミュニケーション能力が高くなかったので、ボーイの男の子たちや若いキャストの女の子と密な連携を取るのに非常に苦労しました。

めっちゃ後悔しています。

もしあの時今回紹介する組織論を知っていれば、もっと円滑な運営ができていたなと。

みなさまは「ゼークトの組織論」という人員配置の方法論をご存知ですか?

ゼークトはドイツの軍人なのですが、経歴とかは今回あんまり関係ない(書くのめんどくさいw)ので省略します。

ゼークトの組織論とは、ものすごく簡単に説明すると
人は「やる気のある・なし」「能力のある・なし」の掛け算によって4つに分類できる。

そして、その4分類に基づいて人を配置すると組織はうまくいくというものです。
(原文は怠慢か勤勉か、利口か愚鈍かなのですが、よりわかりやすく意訳しました)

4分類を具体的に記すと、

①やる気があり、有能な者…組織の参謀(総大将の補佐、戦略立案)にするとよい
→頭が良く、視野も広いし自律して動けるので、実質的な全権を握っている

②やる気はないが、有能な者…前線の指揮官(現場のリーダー)にするとよい
→自分が身を削るのは好まないが、自分が楽をするために上手に他人をコントロールして立ち回る

③やる気がなく、無能な者…お飾りのトップか、戦場の人柱か、連絡係などが向いている
→逃げられないような状況を作って命令すればそれなりに使える

 

・・・そして、最もまずいのがコレ。
④やる気はあるが、無能な者…今すぐ処刑せよ、戦場に出してはいけない

4分類で最もヤバいのは、やる気がない無能ではないんです。

組織においてもっとも足を引っ張るのは、「やる気のある」無能なんです。

やる気のある無能は、参謀の立案した戦略を正しく理解することが出来ません。にもかかわらず無駄に頑張って勝手に暴走してしまうので、軍や小隊を誤った方向に導こうとします。

そういうタイプの人が権力を持ってしまうとどうなるか、非常にわかりやすい例が大塚家具です。

大塚家具は少し前に創業者の父親と、娘のお家騒動が話題になりましたよね。

父親はお金持ちをメインターゲットにして懇切丁寧な接客を謳っていました。

しかし娘の久美子社長はその戦略を剛腕で次々ぶっ壊していき、スクラップ&スクラップしましたwww

そして一度もビルドすることなく数年で会社を身売りするという、喜劇的な結末を迎えました。

 

少し話が逸れましたが、

もしあなたが会社で人事を采配するポジションを与えられたなら、部下を「いい人かどうか」で判断しては絶対にいけません。

字面だとそりゃそうだろと思うかもしれませんが、日本はマジでそういう職場が多いです。

やる気はあるけど無能な人は、元気や返事だけはいいので、何となく中堅くらいのポジションに居座っていることが多いです。みなさまの会社でも心当たりないでしょうか?

接客業のアルバイトのように、数値で業績評価されない場合はその傾向がより顕著ですよね。タチが悪いことに、こういう人達は自分が無能であることに気づいていないことがほとんどです。

 

逆に僕の実体験で、組織で一番軽視されがちなのが「やる気はないけど有能な人」です。

見た目は熱量がなさそうでも、頭が良くて立ち回りの上手い人がいます。

こういう人をつい「やる気や覇気がない」と決めつけて冷遇すると、責任者の自分が現場の末端まで全てマネジメントしないといけないので、精神的な負担が非常に大きくなります。

やる気がないけど有能な人は、必要以上に目立ったり重い責任を負うのを嫌います。ゆえに欲を出して責任者の寝首をかいて下剋上をしようとか、無意味な争いを仕掛けたりしません。

本来は腹心の部下としてある程度信頼してもいいんですよね。

 

考えられるパターンとして最悪なのが、前述した大塚家具の例のように「やる気だけはあるけど無能な人」を「やる気はないけど有能な人」より先に出世させてしまうことです。

「やる気だけはあるけど無能な人」は適切に人の能力を見抜くことができません。ですから自分と同じような元気だけの人を重用したり、一見やる気はなさそうでも実はそつなく仕事をこなして実績を上げている優秀な人を「生意気」と短絡的に判断して切り捨てようとします。

すると優秀な人がどんどん会社から去っていき、無能な集団が完成してしまうんです。

経験上、こうなってしまった組織はもう大ナタを振るって中堅を切らないと修正が効きません。

このようにゼークトの組織論は、人間のマネジメントをもっともシンプルに教えてくれるいいマトリクスだと言えるでしょう。

人事の采配に悩む人、ぜひ参考にしてみてください。

相談の答えとして納得できたでしょうか?

これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます

応援よろしくお願いいたします!


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