<第84回目>自傷行為はアピールではない

<第84回目>自傷行為はアピールではない

みなさまお疲れ様です。

今日は発達障害当事者の自傷行為についてのお話です。

自傷行為と言ってもリストカットや、壁に頭を打ち付けるなどかなり強い痛みを伴うものから、指のささくれをひたすら剥きまくる程度のものまで人によって多種多様です。

僕自身はリストカットはしたことがないですが、小学校の時勉強ができないことを何度も責められて自分で頭を思いっきり殴ったり、助走をつけてドアの角に頭を打ち付ける癖がありました。まんべんなくあちこちぶつけたので、僕の頭蓋骨はボコボコになっています(笑)坊主頭にすると見た目が大変なことになるので、美容院代を浮かせられないのが残念です。

 

中学受験に臨んでいた当時の心情は、

そんなに何をしても悪い頭ならいっそ壊れてしまえばいいのに

という自暴自棄なものでした。

あるいは親が勉強のできない僕を殴るので、殴って勉強が好きになるなら、どうせなら頭が陥没するまでやってやるよ、それで賢くなるならいくらでもやってるよ、と精いっぱいの反抗のつもりでやっていたかもしれません。

でも、構ってほしくてとか、勉強をしたくないからではないということは強く言っておきます。

おそらくいま自傷行為をしている方、経験のある方もそうだと思いますが、自傷行為は誰かにアピールするためにやっているわけではありません。

リストカットする女性のことを揶揄する風潮がネットには溢れていますが、とても危険なことだと思うんですよ。特に、「手首切ったくらいじゃ死ねない」とか、「そんな市販薬ではいくら飲んでも死ねない」なんて言葉を向けるのは言語道断です。本当に死ぬ気がないなんて確証がどこにあるんでしょうか?

自傷行為をする人たちは、自分が周囲の環境や自分の理想に対して適合できていない、「ダメな自分」を罰するために、自らの体にダメージを与えているんです。罪と罰のバランスが取れていると感じるまでなかなか衝動が収まらないので、自傷行為は長期化する傾向にあります。

 

また、発達障害の当事者は基本的には同じことの繰り返しを好みます。毎回違う環境に置かれるよりも、同じ環境で同じことを、同じ時間にすることで安心します。これを常同行動と言いますが、自傷行為が常同行動化すると、短期的な治療ではまず治りません。体を傷つけることが、本来はストレスのはずなのに安心するという状態になるからです。

日常生活では、なかなか自分の思い通りに物事が動いてくれません。困難に直面するたびに自分を罰し続けている人たちに、冷たい言葉をかけるのは止めましょう。言われなくても当事者の人たちは十分すぎるくらい自分を責めています。

鬱病の女性

SNSで自傷行為の傷跡をアップするなという声もありますね。

たしかに、小さい子供が見れないように鍵垢にするとかはしてほしいですが、そこからは本人の意思に任せてあげてほしいと思います。

前述のとおり、自傷行為は自分を罰することであり、自分を安心させる常同行動だと言えます。SNSにアップする行為も、実はそれによって批判が来ることは本人が一番良くわかっています。

なぜそれでも自傷写真を投稿するかというと、意図的に誰かに責められる状態に自ら入り込み、自分を罰する一連のルーティンをこなすことで、安心感を求めるというループに陥っているからです。

つまり、投稿に反応したり批判すればするほど、自罰行為の歯止めが効かなくなるわけです。

なので、そっとしておいてくださいというのが正直なところでしょう。生暖かい気遣いコメントも、本人には自己憐憫を増幅させるだけで、前向きになったり、元気にはなれません。

 

僕が壁に頭を打ち付ける癖を止められるようになったのは、自分の力で受験に成功したからです。振り返れば結局は親の教え方が悪かったから勉強ができなっただけで、自分の頭が悪かったからではないと心から実感できたのが大きいでしょう。もう自分を罰する必要はないのだと、自分で気が付けたのです。

自傷行為から脱するには、投薬や通院、誰かに依存するのではなく、どんなに小さくてもいいから自分が確かに手ごたえを感じられる成功体験が必要です。

ここで重要なのは、誰かに必要とされることを成功体験と定義してはいけないということです。

それでは、人に認められることが価値なんだと考えてしまい、性依存や恋愛依存になってしまうだけで、余計に悪い方向に行ってしまいます。

自分にできる小さなことでいいから、自分が納得できる成功体験を積むことが自傷行為を止める最大の手段です。例えば一か月仕事を遅刻しないとか、ほんとに小さいことからでいいのです。

自分にきつくダメ出しする人に共通しているのは、自らに課すハードルが高すぎるという点です。

そしてハードルを下げることをまるで悪いことかのように思っています。例えるなら、成績が悪くて一つ下の学年に落とされるような感覚でしょうか?

でも、筋トレに例えたらわかりやすいですが、初心者がいきなりベンチプレスで100㎏とか挙げられるわけないですよね?できなかったら正しいフォームを教わって、30㎏くらいからゆっくりスタートするでしょう。そのこと自体はいいとか悪いとかありませんよね。できないうちは誰でも通る道なんです。

自分を許すことが出来ない人は、重量担ぎすぎです。

一旦プレート外しましょう。ちゃんとインターバル取って、仕切り直しましょう。

 

これからも皆さんにとって有益な情報をどんどん提供していきます。

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